楽天投信コラム

日経平均株価はどこまで行くか

祝、日経平均2万円!

ついに日経平均株価は(取引時間中に)2万円を回復しました。2000年4月以来実に約15年ぶりです。この原稿執筆時点では、その後高値揉み合いとなり、まだ終値での2万円乗せは実現していないのですが、市場では強気派が多いようで、2万円は通過点に過ぎず、これからさらに株価が上昇するという声も少なからず聞かれます。

さて、新聞・雑誌等の経済欄を見ると、相場報道の常としていろいろな意見が飛び交っています。強気な意見の中でも、3万円まで行くとか、いやいやついに1990年の最高値を目指し4万円も夢ではない、とさまざま。一方、そろそろ割高だ、目先は下がるだろうし、その後も再び高値を取っていくのは難しい等のコメントも見られます。皆さんもさぞかし、そろそろ利食おうかまだ持ち続けるか、悩んでおられるのではないでしょうか。あるいは、そんなのはうれしい悩みであって、これまで投資できていなかった皆さんは、高くなった今から買うのは悔しいし、さてどうしたものかと、焦りの気持ちが募っているかもしれません。

それにしても、なぜそんなに高値を気にして悩まなければならないのでしょうか? それは皆さんが、株価には天井があり、そしてその天井を達成した後は二度と高値を更新できないという感覚を持っているからです。

下記は90年代半ばから最近までの約20年間の日米の代表的な株価指数の推移です。

グラフ:「長期投資の成功」を信じられるカギとは? (米国)(日本)
1995/1/31-2015/3/31、月次データ
「日本」は東証株価指数、「米国」はS&P500指数、それぞれ配当込。1995/1/31を100として指数化
本文中では日経平均株価に言及していますが、グラフでは、より市場全体を表すとされている東証株価指数を用いています
データ出所: Bloombergから得たデータをもとに楽天投信投資顧問で作成

皆さんご存知のように、日本株は、過去最高値からはほど遠い水準で、長い間上下動を繰り返して来ました。つまり、この期間は、株価が上振れた時があれば売っておくのが結果として正解だったわけです。だから今回の上昇でも、「いつ、どこまで行くか」が気になってしょうがないのです。

しかし、米国株のように、時に大きな下落を伴いながらも、長期的には高値を更新し続け、20年で7倍近くにもなっている場合はどうでしょうか?上下動はあるものの長期的には上昇を続ける、と信じることができる人も多いのではないでしょうか。そして、そうした長期的な相場観を持っていれば、下がっても持ち続け、それどころか安くなった時にはさらに買い増すという投資判断もできることでしょう。そして、実際にその相場観通りになれば、長期的に大きなリターンを得ることができます。

このように、長期投資が成功するためには、「相場が上昇してその後下がっても、持ち続けていれば再び高値を取り、儲け続けられる」と信じることが出来る資産に投資することが必要なのです。それが信じられるのであれば、「株価はいつ、いくらが高値か?」と悩む必要はなく、ただ持っていればいいわけです。

では、今後の日本株は、今までの20年間以上の期間と異なり、持ち続けていれば長期的に上昇し続けられるのでしょうか?目先の高値が2万円だろうが3万円だろうが、売りのタイミングを気にすることなく持ち続けていればいいような資産になるのでしょうか?

私は、カギは「ROE」だと思っています。

ROE(株主資本利益率)。株価がどこまで行くかの予想と同様に、これも昨今の新聞や経済誌で盛んに議論されている論点です。なぜこれがカギなのか?次回はそのお話しをします。

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2015.5.10
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