楽天投信レター

とても簡単で、とても難しい相場

最近のグローバル株式全般の動きを振り返ると・・・、軟調な9月の相場展開から、10月前半はさらに大幅下落、そして後半に急反発。そして当レポート対象月である11月は堅調に推移。直近3か月間を手短に説明するとこうなります。

つまり、結果論として「とても簡単な相場」でした。どう簡単だったかというと、以前から保有している資産に関しては、目先の相場動向にとらわれず、単に保有し続けていれば最終的に価格は上がったし、新規の投資に関しては、相場が下げる場面に買えば、買値からさらに大幅下落ということもなく価格が上昇に転じていた、という状態です。そしてそれは、直近3か月のみならず、この3年くらいは概ね同様の状況であったと言えます。

一方、運用戦略にもよりますが、いわゆるヘッジファンドの分野では、「とても難しい相場」であったことが指摘されています。特に今年に入ってからは「難しさ」が顕著でした。例えば、少なくないヘッジファンドが、これから利上げサイクルに入るであろう米国の長期金利が上昇(債券価格下落)することを予想して、債券の空売りを繰り返したようですが、大方の予想に反して年初から長期金利は下がり続けました。最近では、10月の急落とその直後の急速な反発、そして10月末に日銀が市場参加者の予想を裏切るタイミングで追加金融緩和を実施したことを受けた為替や株式の急変動等で、損失を被ったヘッジファンドも多いとされています。

ヘッジファンドは一般に運用報酬が高いこともあり、こうした相場展開(単純に安いコストで株式性資産を持ち切りにしていた方が、コストの高いヘッジファンドを保有するよりも結果として効率的であった市場環境)が続くと、年金等の大口投資家からは解約も出てきます。運用成績の悪化と解約による運用資産減少により、閉鎖する大手ヘッジファンドも出てきており、一部金融メディアでも話題になっています。

さて、こうした状況と楽天みらいファンドを対比してみます。

楽天みらいファンドが保有する長期的な収益力が見込まれる伝統的な資産の多くの部分は上下しながらも順調に上昇してきました。一方、当ファンドが持つヘッジファンド的な投資部分がボラティリティ関連運用です。この運用は、平常時と相場暴落時両方で高い収益を期待できる反面、一過性の相場異変には弱い特徴があり、当ファンド運用開始以来の「とても簡単で、とても難しい相場」展開のなかで、今のところ苦戦が続いています。

しかし、これらボラティリティ関連運用も含めたポートフォリオ全体としては、分散投資の結果として、上下動しながらも右上がりの運用成果で推移してきました。これまでのところは、まさに当ファンドが狙った通りのポートフォリオ構築とその運用成果となっております。

なお、ボラティリティ関連運用部分で主に投資する、(当社運用の)楽天ボラティリティ・ファンド(適格機関投資家専用)では、当社の運用報酬をゼロにしているため、楽天みらいファンドとの2重取りにならず、一般のヘッジファンド投資で指摘されている高コスト構造の問題もありません。

ポートフォリオ全体で長期的、且つ安定的に収益を獲得すること。それが、当ファンドが一貫して目指すものです。

Vol20
2014.11.28
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