楽天投信レター

「金融の技術革新」とは

あらゆる分野で技術革新は止まりません。そしてそれは金融の分野においても例外ではありません。最近では、「Financial Technology」を由来として、「FinTech(フィンテック)」といった造語も作られています。2015年2月23日、最先端のフィンテックやそれらをビジネス化する仕組みを議論する場として「楽天金融カンファレンス」が開催されました。楽天グループ金融関連企業として、弊社もその主催企業に名を連ねました。

さて、一般に、皆さんは「技術革新」に何を期待するでしょうか?おそらく、何かしらの「欲求や要望(ニーズ)」があり、そしてそれは今まで可能でなかったけれども技術革新によりそのニーズを満たすことができるようになる、といったことではないかと思います。端的な例としては、医学とその技術の発展により、「難病を治す」という「ニーズ」が直接満たされるといったことが挙げられるでしょう。

翻って投資の分野での一番直接的なニーズを考えると、それは「儲けること」であり、つまりは、技術革新に期待したいのは「確実に儲ける手法」ということになります。

しかしながら、私が知る限り、それを開発できた人はいません。例えばデリバティブの理論価格を導出し、市場で付いている価格との差異を収益化する(いわゆる裁定取引を行う)といったようなことは過去なされていますが、その種のものはあっという間に市場に織り込まれてしまい、「確実に儲け続ける」といったことは不可能となります。ましてや、もっと万人に分かりやすい、例えば「株価が上がるか下がるかを当て続ける」といったことを成し遂げた人は、未だかつていません。

こうした背景から、金融・投資における技術革新は、そのほとんどが「利便性」や「スピード」、そしてそれらに関連するコストの低減といった、「儲ける」という一番のニーズの周辺部で発生しています。例えば、決済の利便性が飛躍的に高まることとか、株式取引が個人投資家でもインターネットを通して瞬時にできるようになるといったことです。実際、楽天金融カンファレンスでも、「相場の方向性を当て続ける」といったたぐいの議題は一切ありませんでした。一番のニーズ以外の分野で技術革新が進むという意味において、金融・投資の世界における技術革新は、他の分野におけるそれとはかなり異質のものといえるのではないでしょうか。

しかし、だからこそ投資には妙味があるのだと私は考えています。また、それら周辺の技術革新があるからこそ、例えばこの楽天みらいファンドを皆さんに気軽に投資していただける環境があるのです。利便性向上やコスト低減といった革新の恩恵を受けつつ、投資収益自体は、リスクを取った対価として長期的に収益を生み出すことが期待できる資産を通じて享受する、それが楽天みらいファンドです。

Vol24
2015.3.31
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