楽天投信レター

マイナス金利下に個人長期投資家はどう対応すべきか

当レポート対象月の2016年1月は、年明けからグローバル株式市場全般が下げ続け、特に日本株は、日経平均株価(引値)では、1月21日に16,017.26円を付ける大幅な下げを演じました。2014年10月31日に発表された、日本銀行による追加金融緩和、いわゆる「黒田バズーカ2」の前日は15,658.20円でした。その後株価は上昇基調となり、2015年6月24日には20,868.03円まで上昇したのですが、そうした上昇の大部分が吹き飛んだことになってしまいました。そんな中、日銀は1月29日、さらなる金融緩和策としてマイナス金利政策導入を発表し、これに反応する形で日本株は上昇、為替も各主要通貨に対しほぼ円の独歩安となり月を終えました。

市場の評価は分かれるようです。デフレからの脱却を目指す日銀の断固とした姿勢を評価する意見もあれば、ここまでの手段を取らなければならないことに関して金融政策の手詰まり感を指摘する向きもあります。

そんな中、個人投資家が、特に長期投資においてどう対応すべきかを考えてみます。

結論から言うと、「直接的には関係ない」です。

今後、各銀行が日銀に新たに積む当座預金についてはマイナスの金利が適用されます。つまり預ければ預けるほど利子をもらえるのではなく、利子を払わなければならなくなるわけですが、今のところ、それを反映して各銀行における個人預金者向けの金利をマイナスにする議論は出てきていません。もちろん、今後そうならない保証はないのですが、「個人の預金金利がマイナスになる可能性はない。」と日銀総裁が示すように、社会的・政治的にも起こりづらいのではないかと考えられます。

その場合、個人投資家としては、銀行にお金を預けておいても、それが目減りしていく状況にはなりません。つまり個人投資家にとって、預金から何らかの投資対象へシフトする判断基準は今までと同様でよいのです。

では、その判断基準は何かというと、収益を上げられる可能性が高いか、ということに尽きます。特に長期投資の考え方においては、保有していれば中長期的には収益をもたらすと考えられる投資対象があれば、預金を長期的に持つよりも有利と考えて、預金からお金を引き出して投資する、ということです。収益を上げられる可能性が無ければ、たとえ金利がほとんど付かなくとも(もしくはゼロでも)、元本が保全されている預金から資金を動かす必要はないのです。

日本経済が改善していくという「予想」を、日本人の一人として信じる一方、皆様に例えば日本株への一点集中型の投資をお勧めする必要は全くないと考えています。グローバルに不安定な相場環境の中、日本に加え欧州の追加金融緩和や、米国の利上げペース、そしてそれらが市場にもたらす効果の「予想」が市場関係者達の議論の焦点になっていますが、『楽天みらいファンド』は、「予想を当てようとするのではなく、長期的に収益が得られる構造にあると考えられるものに分散投資する」という投資哲学を貫き、投資家の皆様がラクに長期的収益を目指すお手伝いを続けてまいります。

Vol34
2016.1.29
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