楽天投信レター

2016年第1四半期を終えて

早いもので、2016年の4分の1が経過し、3月を終えました。当レポートの対象月である2016年3月は、それまで大荒れだったグローバル市場が徐々に落ち着きを取り戻し、米国株式をはじめとして、年初来リターンがプラスに転じた市場も多く見られました。

これまでも、予想の難しさと、それに頼らず長期分散投資を実践することの重要性について何度も取り上げている当欄ですが、今回は、昨年終盤に市場関係者の間で言われていた事を思い返し、昨年末から今年3月末まで実際の動きがどうだったかを振り返ってみます。

●「2015年12月、ついに米国FRB(連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切った。日本ではまだまだ金融緩和を継続せざるを得ない。両国間の金利差拡大を背景に、米ドル高・円安になる。」

⇒ 2015年末から2016年3月末にかけての米ドル・円レートの動き:
 1ドル=120.22円から同112.57円への米ドル安・円高

●「日銀の脱デフレに向けた断固たる姿勢もあり、日本株は堅調

⇒ 2015年末から2016年3月末にかけての日経平均株価の動き:
 19,033.71円から16,758.67円への日本株安

●「米国の利上げにより、新興国からは資金引き上げの動きが続き、新興国株安、通貨安

⇒ 2015年末から2016年3月末にかけてのブラジルボベスパ指数の動き:
 43,349.96ポイントから50,055.27ポイントへとブラジル株高

⇒ 2015年末から2016年3月末にかけてのブラジルレアル・円レートの動き:
 1レアル=30.3648円から同31.3386円へとレアル高・円安

(データ出所: Bloomberg)

上記のうち、新興国株・通貨に関しては、代表例としてブラジルの代表的株価指数および通貨の数値を取り上げました。Bloombergによれば、2015年末から2016年3月末にかけて、世界の主要な株価指数93種類中、円ベースで見て最も上昇したのはブラジルボベスパ指数の+19.53%であったこと、そしてブラジルの株式や通貨が日本の個人向け投資信託でも人気の投資対象になっていることがここで紹介した理由です(ちなみにこの間、日経平均株価は80位の▲11.95%)。それぞれ、多くの人々の事前の予想と異なるものですが、特にブラジルの株式や通貨が大幅高となったのは、意外だったのではないでしょうか。

日本株安、米ドル安・円高により、多くの日本の投資家にとって厳しい四半期でしたが、この3月は、グローバル規模でリスク許容度が回復し資産価格が上昇、『楽天みらいファンド』でも年初来でプラスのリターンを確保することができました。これは当社が予想に長けていたというわけではなく、厳選した投資対象に幅広く分散していたことが大きな要因の1つとして挙げられます。

いずれにせよ、まだら模様のグローバル経済や地政学的リスク等、これまでと環境が大きく変わったわけではないことも事実です。引き続き社員一同、着実な運用に注力して参る所存です。

Vol36
2016.3.31
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