楽天投信レター
アベノミクスは限界なのか?
当レポート対象月である4月の株式市場は、グローバルには引き続き堅調な展開が続いたものの、日本株は上下に激しくぶれる状況でした。
月末の日銀金融政策決定会合に向けて、追加金融緩和への期待が大きく膨らみ、市場はいわば催促する形で急激な円安・株高となり、そして28日、現状維持が発表されるや、失望により大幅な円高・株安となりました。
いわゆる「アベノミクス相場」が始まって以来、日銀の金融政策への期待が高く、決定会合の度に追加緩和の思惑で市場が激しく上下してきました。特に、今年1月のマイナス金利導入発表後は、その効果について活発な議論が行われ、否定的な見方もあり、金融政策の限界を指摘する意見も多く見られます。
そして、「3本の矢」とされるアベノミクスの、金融政策以外の2本の矢、財政政策と構造改革のうち特に構造改革に関して、その遅れが指摘されています。
相場が下落傾向の時には、経済記事ではそうした弱気な意見が幅を利かせがちです。しかし、本当にそうでしょうか。そもそも、構造改革に時間がかかることは最初からわかっていたことです。時間がかかっていることが問題で市場が荒れているのだとしたら、最初から期待のし過ぎであり、そして、もしそうだとしたならばこれまでの急激な株価上昇が行き過ぎだっただけではないかと考えています。
その時々の企業の利益や資産に比してどれくらいの株価が付くかの割高・割安度合いには短期的な行き過ぎが起こります。しかし、長期投資の観点からは、日本企業が株主から預かった資本に比してどれくらいの利益を上げ続けていくかが最終的な鍵になると考えます。その意味では、この数年、ROE(株主資本利益率)向上のための方策が活発に議論され、そして徐々に実行に移されていることは大きく評価できるのではないでしょうか。
こうした改善がさらに進んでいくことを切に願い、また日本人の一人として信じてもいますが、昨今のような日本株の極端なぶれを見るに、やはり安定的な資産運用にはグローバル分散投資は欠かせないものといえるでしょう。
『楽天みらいファンド』は、変わらず着実なグローバル分散投資を続けてまいります。
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