楽天投信レター

新「ブラックマンデー」

7月にギリシャ問題とともにグローバル市場を大きく揺さぶった中国株式市場の急落は、いったんは中国政府のなりふり構わぬ株価下支え対策もあって落ち着いたかに見えました。しかしながら当レポート対象月である8月の下旬、中国株式は再び急落し、7月とは比べ物にならないレベルで世界の金融市場を大きく揺るがせました。8月24日(月)の世界規模の急落は、1987年10月19日(月)に米国発で起きた暴落になぞらえ、「ブラックマンデー」とも称されることとなりました。

前回のこの欄でも申し上げましたが、中国株式市場ほど予想をすることが難しい市場はそうないのではないかと常々思わされています。専門家達が指摘する各種経済統計の不透明さに加え、最近の下落相場における株価下支え策には、各上場企業の裁量による売買停止や空売りを行う投資家への突然の処分等が含まれており、やはり問題が多いと言わざるを得ません。

皆さんは「リスク」の意味をご存知でしょうか。日常会話においては「危険」の意味で使われることが多いのですが、投資においては「不確実性」の度合いを指します。つまり、不透明なら不透明なほどリスクが高いわけです。その意味からは、中国株式への投資は、非常にリスクが高いと考えています。

そうした「リスクの高い」中国の経済や株式市場がグローバル市場の一番の注目点になっている以上、当面の間は不透明感が高く、振れ幅も大きい状況が続く可能性が高いと考えています。また、いったんは落ち着いたかに見えても、過去の大幅な調整局面では、2、3か月後に再び「2番底」(最初の下落の際と同様のレベルまで大幅に下げて、そこが目先の大底となること)を試しに行くことも多く見られるため、予断を許しません。

ここでお勧めしたいのは、うろたえないことです。中長期的には上昇が期待できるような資産に投資している場合、そうした不安定な状況に狼狽売りせず、むしろできれば買い増ししていれば、その後大きな投資の果実を得られていることを歴史が示しています。過去がそうだから今後もそうなるという保証はどこにもないわけですが、そこで自信を持てるかどうかは、自分が保有する投資資産が、長期的には収益が得られるような構造になっている資産であると信じられるかどうかにかかっています。

楽天みらいファンドは、少なくとも運用している私たちはそう信じている内容でポートフォリオを構築しています。当面は振れの大きい展開もあり得ますが、皆さんとご一緒に長期投資を考えながら、動じることなく運用に注力してまいる所存です。

Vol29
2015.8.31
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