楽天投信レター

「プロ」による相場予想

リーマンショック以降の、米国を中心とした世界共通の金融緩和相場は、2015年12月に米国FRB(連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切ったことにより、ついに終わりが来ました。日本や欧州はいまだに量的金融緩和を継続しているため、世界の金融政策は、いわばまだら模様の状態に突入したことになります。

2015年の振り返りに、身近な例として日経平均株価を見ると、2014年末の17,450.77円から2015年末の19,033.71円へと、9.1%上昇しました。米国の利上げに加え、夏から秋にかけて中国の景気減速懸念を発端に世界同時株安となる等、様々なことがありましたが、1年を通してみると、プラス10%弱と、株式の年間リターンとしてはいわば無難な結果となりました。この間、米国の代表的株価指数、S&P500指数は-0.7%でしたから、日経平均株価は、ぶれは激しいものの、年末から年末にかけての2点間の結果としては比較的堅調だったといえるでしょう。

さて、これを相場のプロフェッショナルとされる人達はどう予想していたのか、振り返ってみます。

2014年12月22日のBloombergの記事、「15年末に最高2万3000円も、TOPIX、日経平均予想」では、日系・外資系の大手証券会社や運用会社等、合計13社のストラテジストにアンケートをとり、2015年末の東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価の予想を掲載しています。それによると、日経平均株価予想の最高は23,000円(2014年末17,450.77円から+31.8%、以下同様)、最低は9,000円(-48.4%)、平均19,420.77円(+11.3%)となっていました。

いかがでしょう?プロと言われる人達でも、その予想する騰落率には随分とばらつきがあります。

上は3割の儲け、下は半分近い大損。ここまでばらつきがあり、そして極端に反対の意見もあるような状況では、誰の意見を参考にするかということ自体が難しく、そしてそれが分かるくらいであれば、そもそも「プロ」の意見を聞かなくとも自分で相場の方向性を当てることが可能なのではないでしょうか。

つまり、どのプロの予想が正しいかを判断するのは、自分で日経平均株価の1年後の水準を予想するのと同じくらい難しいのです。

この年末年始、新聞やテレビ等の経済の話題では、「プロによる2016年の相場予想」が花盛りですが、見ていると各人の予想水準はやはり相当なばらつきがあり、そのばらつき度合いは昨年に関する一昨年末の予想とたいして変わりないように見えます。他人の予想を当てにするのも、自分で予想するのも難しいと言わざるを得ません。

「予想を当てようとするのではなく、長期的に収益が得られる構造にあると考えられるものに分散投資する。」

2016年も『楽天みらいファンド』の投資哲学には何の変更もありません。

Vol33
2015.12.30
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